第26号 2004年 秋


表紙の言葉

みつっ葉 ささっ葉 不思議な葉

み〜んなおもちゃに大変身

今日はいもっ葉『マジカルフェイス』

葉っぱを通して大空見たら

葉っぱも同じ空を見た

葉っぱはボクに

ボクは葉っぱに大変身

葉っぱで変身
  奥会津つれづれ  

 家でいくつもなっている鬼灯(ほおずき)は、街中にはない鮮やかな色の袋を持っている。小さくても目に飛び込んでくる赤橙色に染まっている。
 通販カタログで服や小物を見ると、どれも黒、白、紫、緑と流行の中で作られているため同じ色が目に留まる。そんなものが世の中に溢れている今だからこそ、植物が生み出す色はなおさら新鮮だ。
 先日、近くに開館した私設ふるさと館「田子倉」に行ってきた。田子倉ダム建設のために水没した田子倉集落出身の方が、その歴史と面影を伝えていくための田子倉の資料館だ。現在では5億トンと言われている貯水量の田子倉ダムの湖底にある、かつての集落の姿が写真などからうかがえた。
 その中で印象に残ったのは、今は亡くなった方が、生前に書き残した色鉛筆で描かれた絵だ。彼の少年時代の頃の田子倉の風景を、自分の言葉と色鉛筆で記憶に残っている景色を描いている。記録にも残っていない、田子倉の日常の一場面がそこにある。記憶の中に留められていた数々の風景には、今はない彼のふるさとがある。桜が咲き乱れていた頃、カジカつきをした日のこと。彼が残してくれた色には、私たちにあてられたメッセージが込められている。 (治)


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南郷村 〜なんごうむら〜  伊南村 〜いなむら〜
 
 伊南川の清流が南から北へ流れる谷沿いに、南郷、伊南両村の集落が開けている。川の両岸はトマトやソバの名産地として知られ、夏から初秋にかけて、谷を抱く山々の深緑と、集落を囲む耕作地の鮮緑が美しい。同川は自然の恵みを与えるだけでなく、川と並んで走る旧沼田街道とともに、信仰と文化を運ぶ往還道でもあった。
 
伊南川のアユ釣り  
 伊南川は毎年、7月から9月にかけてアユ釣りのシーズンを迎える。会津方部だけでなく、関東圏からの釣り人も多い。心配された夏の大雨の影響もなく、今年も釣果は上々で、体長25センチほどのアユが次々にあがっている。
 栃木県から来た釣り人は、
「関東の渓谷で獲れるアユと比べて、味・香りが格段に良い」と話していた。
   
信仰と文化の道  
 一方、川とともに両村を貫く旧沼田街道は、かつて「信仰と文化の道」として利用された。街道に沿って奥会津三十三観音の二十三番札所「小塩観音堂」(伊南村小塩地区)から、三十三番札所「和泉田観音堂」(南郷村和泉田地区)まで十一の御堂が連なる。
 このほか信仰・文化の跡をとどめる史跡は多く、南郷村の大新田地区には樹齢五百年
を超える杉がそびえる北野神社、道教から影響を受けた庚申信仰の跡を示す石塚「庚申塔群」などがある。
また、伊南村には、江戸期の会津仏師に大きな影響を与えたと言われる阿弥陀如来像(古町地区善導寺)、かつて農村歌舞伎が上演された「大桃の舞台」(大桃地区)などがある。カヤぶきの舞台は長い年月を経て退色しているが、重厚な造りが存在感を際立たせ、往時の華やかさを思わせる。
 
小塩観音堂
庚申塔群
   
樹齢500年を越える杉
阿弥陀如来像
 
南山御蔵入騒動
 しかし、「信仰と文化の道」が常に平和だったわけではない。享保5年(1720年)にはこの地域で農民一揆「南山御蔵入騒動」が起きている。一揆の代表らは江戸に直訴したが、幕府の弾圧を受け、首謀者とされた齋藤兵左衛門は斬首された。
現在、一揆側の拠点になった南郷村の安照寺(宮床地区)には「義民兵左衛門供養碑」がひっそり立っている。高さ一bにも満たない石碑の文字は半ば風化しているが、父祖の息吹をこの碑だけがわずかに伝えている。
義民兵左衛門供養碑
 
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奥会津の歳時記9 風祭り(金山町)


  9月7日は金山町西谷地区の風祭り。「信心して村休み」と書き添えられた回覧が村中を回り、人々は一斉に仕事の手を休める。
 洪水、火事、台風など、昔から災害に繰り返し見舞われてきたこの地区では、1年の無事を祈り毎年この祭りを行っている。
 村を守るように上手と下手に立つクルミの木に、神官によって切られた御幣をその年のつめ番が下げる。若いつめ番はより高く、神に届くようにと木に梯子をかけ、高枝に御幣を掲げる。古老は精一杯腕を伸ばし、頭上の枝にかける。
稲穂が頭を垂れるこの時期、豊作への願いは、強風を鎮める祈りとなって神に捧げられる。初秋の1日、谷あいの村は静かに収穫の季節を待つ。

 
 


■ 写真・文:竹島 善一 ■
 
 
     
▲ 樽戸の広い川巾をまたいで架かる吊り橋は風景に溶け込んでいる。鋼鉄のワイヤーの張りと曲線の美に科学技術の程良い調和を見る。(只見町樽戸・昭和51年9月)
 
▲転がる油の鑵は過ぎた冬を語る。秋に稲穂が干されるハゼ。農家の庭先は一年の生活を映している。生粋の会津人との印象を私に与えた老人は静かに家へ戻っていった。ここには何とてない日常のもたらす平穏がある。(只見町小川・昭和51年9月)

 

・・・・・TOPICS・・・・・第9回歳時記の郷 奥会津 全国俳句大会開催

 

8月28日・29日の両日、金山町の御神楽館において、「第9回歳時記の郷 奥会津全国俳句大会」が行われました。
天候にめぐまれ、参加者270名余りが集った今回で、9町村を一巡したことになりました。
記念すべき今大会で大賞に輝いたのは、千葉県の坂本一郎氏。小中学生の部大賞は只見町・朝日中学校の目黒未来さん。
 

 

他の受賞者は次のとおりです。

  ■準賞 東京 小沢 房子 
  ■電源流域振興協議会賞 愛知 菅野 如伯
  ■柳津町長賞 茨城 池田 鷹志
  ■三島町長賞 東京 小竿 和子
  ■金山町長賞 群馬 芝根 南 
  ■昭和村長賞 福島 五十嵐庄七
  ■只見町長賞 東京 宮島 敦子
  ■南郷村長賞 福島 鈴木満喜子
  ■伊南村長賞 福岡 近藤 脩
  ■舘岩村長賞 東京 綱島 清
  ■檜枝岐村長賞 京都 由良 邦雄

 小中学生の部
  ■準賞一席 只見小六年 五十嵐梨紗
  ■準賞二席 柳津小二年 坂上 良輔

(敬称略)

大賞を受賞する坂本一郎さん
二日目の先生方による車座談義。
左から榎本好宏氏、茨木和生氏、黒田杏子氏
 
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    そうめんカボチャは不思議な野菜だ。固い皮の中身は、ゆでるとそうめんのように細くほぐれる。しゃきしゃきした歯ごたえとさっぱりとした味わいに、満腹でもつい箸が伸びる。暑さに疲れた体にやさしい一品だ。
3・そうめんカボチャの酢の物
 
 
■■■  思い出を一言  ■■■
     
●作り方●


  オレたち子供の頃は、盆に必ずこれを食べた。里帰りする家族が楽しみにしてたから作ってたの。実に棒を四本さして動物のかっこうにして、父ちゃんがおもちゃ作ってくれたりしてなぁ。そうめんカボチャ食べると子供の頃を思い出すよ。

羽染 フヂ子さん(昭和村)


縦二つ、もしくは大きな輪切りにしして、種をとって皮ごと熱湯でゆでる。水にとり、皮からはがすように手で身をほぐし取る。これを三杯酢など好みの酢加減で和える。
この他にマヨネーズやドレッシング和えなども。また、生のまま皮をむき、薄く切ったものをみそ漬けや一夜漬け(しょうゆ、酒、みりん)にしてもおいしい。

 

博物館・美術館


曲輪〜まげわっぱ〜(檜枝岐村)


     


 ネズコ(黒檜)と山桜の皮でつくる檜枝岐の曲輪はとても美しい。冬の仕事として昔から作られ続けてきたものだ。家族の作業を子供たちが見つめ、その技を受け継いできた。
 ゆでて軟らかくなったネズコの薄皮を円柱に巻き込み、山桜の皮を薄く剥いだ締め紐で止める。軽く、水を入れてもふやけず、吸湿性や抗菌性が高いと実用性にも優れている。
 整った柾目には、冬の檜枝岐の聖霊が宿っているようだ。


 
 ●聞き耳袋● 〜秋の山には午後入るもんでねぇの〜

じき日が落ちて、ああ晩げになっちまぁとあわてっちまう。そうすっとキツネにばかされて、道わがんねぐなっちまうんだ。秋の山はおっかねぇよ。
(渡部サクヨさん・三島町)