第24号 2004年 初夏


表紙の言葉

やわらかな緑の野に

クローバーの白い花

指輪に腕輪に首飾り

甘く優しい香りをまとう

今日はお姫さま

シロツメグサと遊ぶ
  奥会津つれづれ  

 ここにいると朝夕の食卓には山菜が並ぶ。今の時期は、コゴミ、コシアブラなどが採れる。どれも土の匂いがして野菜とは違う歯ざわりだ。
 私のまわりでは、今も朝早くに山に出かけ恵みを持ち帰ってくる。何か欲しいと思えば、家にいながらにして手に入れることのできる時代に、どうしてそんな手間をかけて食べ物を探すのか。山に行っても収穫もなく戻ってくるなんて、と私は思っていた。
 だけど、山に行く人は楽しそうだ。自分が知っている山菜のとっておきのポイントを教え合いながら、春の恵みを楽しんでいるのだ。ただし彼らには何やら約束事があるようだ。
 例えば山菜が十本生えていたとする。見つければ全て頂くと思うだろうが、彼らは、その内少しは来年のために、又他の生き物のために残して帰ってくるという。熊が食べに来るかもしれない。そんな理由で残しておくなんて、今まで一度も考えたことはなかった。その姿は、山がこれからも恵みの土地であるように、そして自然が人のものだけではないということを改めて教えてくれるようだ。
 最近では多くの生物が命の危険にさらされている。一方ではどの生物も大切な存在だということを、多くの人に知ってもらおうという動きも広がっている。その意識が広がっていくためにも、まずはこの地に住む私たちが、自発的に学ぶことは多いと思う。(治)

■大沼郡三島町大字早戸字湯ノ平888
■TEL/FAX 0241-52-3324
■営業時間 9:00〜21:00(年中無休)

 
 目前に只見川渓谷が広がり、残雪と山桜と木々の若緑が、日々彩りを変えて鮮やかさを増している。
 ケガを負った鶴が傷を癒したという古い伝説を持つ「つるの湯」は、全国屈指の薬湯として親しまれてきたが、地元の方々の自主的な運営で、この4月に新しく生まれ変わった。
 
 かつての湯治宿を偲ばせる木造の建物は、館内は古色を施された木材がふんだんに使われていて、心も癒される。床などの塗装も、アレルギー体質の人を気遣った特殊塗装。  

しもた屋風の玄関
湯治棟
 もともと湯治場だったつるの湯は、滞在してゆっくりと心身を癒す泊り客が多かった。そうした方々のための湯治棟は、全8室。自炊も、食事の取り寄せも可能。

 
 
 
 
 
  休憩室
 1階と2階に設けられた休憩室。川を眺めながらお弁当を開く人も多い。 床は、地元産の会津三島桐が敷き詰められていて、夏は涼しく冬は暖かい。イオン効果も優れている。
  露天風呂と大浴場
 大浴場で体を温めたら、隣の露天風呂に移動して川風を受けながら足湯をとる人も多い。
豊かな水に映る四季の移ろいが楽しめそうだ。
 
 
 
泉質:塩化物泉
 灰褐色に濁ったかけ流しの温泉で、とてもまろやかな泉質が肌に心地よい。やわやわと全身を包み込むようなやわらかい湯は、術後の傷やケガ、アトピーなどに効力を発揮するというのが実感できる。
 外傷ばかりでなく、リュウマチ、腰痛、打撲、骨折、婦人病,神経痛,病後回復、胃腸炎、糖尿病など、効能は多い。
 
周辺散策
●神々の道
 早戸地区の集落から山に向かっていく本かの道があり、観音菩薩、地蔵菩薩や各種石祠など26の神々が祀られている。この神々の道は、毎年地区全体で草刈などをして整備している。

●沼沢湖
 早戸温泉からほど近い神秘の湖は、対岸の金山町にある。これからはハイキングが楽しめる。夏には「湖水祭り」が行われ、湖水浴も楽しめる。

 
 
 
料金と交通のご案内
  お客様の声

露天風呂・大浴場
 大人:500円、小人:300円
 (1日の場合は大人1,000円、小人600円)

湯治棟
 1〜2泊 3,840円(冬季:4,350円)
 3泊以上 3,300円(冬季:3,825円)

■お車で
 磐越自動車道・会津坂下IC→R252…30分

■電車で〜
  JR只見線・早戸駅下車…徒歩10分
   美坂高原に登って、ここで疲れを取ろうと思って来ました。
 やわらかい湯ですねぇ。(郡山からのお客様 )
 
支配人 目黒 卓男さんより
 地区の人たちが中心になって企業組合を作りました。
 毎日交代で勤務しています。
 
 
 
彫刻家・向井勝實氏制作の2本の高いモニュメントが目印。  
 

 

奥会津の歳時記7 からむしの畑焼き(昭和村)

 5月の小満の日を期して、この日の夕刻、昭和村のからむし畑から炎が上がる。出始めた芽を一旦焼いて、土の殺菌、施肥、芽そろえを行うためだ。
 この作業は昭和村の技術を支えるものとして、600年前から続けられてきた伝統的な栽培技法。小満ともなれば、遅霜も降りなくなる時期で、この日は昭和村にとっては特別な日。からむしの畑焼きは、この時期の風物詩ともなっている。

撮影:平田 春男

 
 


■ 写真・文:竹島 善一 ■
 
 
     
▲小さな流れには子どもがいた気配。石組みの水場は今ではU字溝になったが、昔と変わらず水が流れている。(南郷村大新田・昭和56年4月)   ▲暦では春。しかし木々の芽は固く風は冷たい。厳しい寒気と雪に耐えた我が家を慈しみを持って見やる。冬をしのぎ切った安堵を支えるのは何といっても土である。
(南郷村鴇巣・昭和57年4月)

 

・・・・・TOPICS・・・・・ユビソヤナギの群落発見!

 

 只見町の伊南川沿いの河川敷で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されたユビソヤナギの国内最大の自生地が見つかりました。自生域は伊南川や支流の黒谷川、館岩川沿い五十キロ以上に及んでおり、この発見によって国内最大の自生域となります。
 これまで群馬と宮城、岩手の三県で四か所が確認されていますが、分布が途切れているのが不思議だとされていました。只見町での発見で空白域が埋まったことになります。今後は、河川改修などで生息域が破壊されることのないよう、保全に努める必要も切望されています。
 
ユビソヤナギ:群馬県水上町の湯檜曽川で、1972年に発見された高木のヤナギで、川の名から和名が付けられた。雄花の花糸が、普通は2本なのに合着して1本になっているのが特徴で、開花時期でないと特定が困難。環境省のレッドデータブックが1B類(近い将来に絶滅の危険性が高い)に指定されている。  
 
   
 
   雪が消えて真っ先に出る山菜がコゴミ。この春の使者を食卓に載せることが嬉しい。
 おひたしや和え物、天ぷら、酢の物と、バリエーションも豊かだ。青い野菜を待ち焦がれる季節に、コゴミの登場は蘇ったいのちを謳歌する場でもある。
 この一品は、一度茹でたコゴミを干して保存しておいたものをもどして、炒め煮にしたもの。生のコゴミとは異なる味わいと歯ざわりが郷愁を誘い、ぜんまいの油炒めよりも好むという人もいる。
1・コゴミの炒め煮
 
 
■■■  思い出を一言  ■■■
       


 稲穂が垂れてこごむようにって、田植えの時には今でも、干したコゴミの油炒めなんかを作って食べることにしてんの。昔から、山菜はいろいろな形で保存して、一年中食べられるようにしてきたの。

 

中丸 昌子さん(金山町)

       
     
●作り方●
     
干したコゴミを戻して水を切り、少々の油で炒め、みりん、出汁、醤油でしばらく煮込む。

 

博物館・美術館
       

妖精美術館(金山町)

     

 森に囲まれた神秘の湖・沼沢湖のほとりに、世界中の妖精が集まっています。
 「妖精美術館」には、妖精を描いた絵画、絵本、文学の資料、人形、妖精をとり入れた小道具などがたくさんそろっていて、幻想的な世界へと誘います。
 日本でただ一つの妖精の館。静かな館内で妖精たちと過ごしてください。

●開館時間:9時〜16時30分
●休館日 :毎週水曜日
●入館料 :大人300円 高校生200円 小中学生100円
●TEL :(0241)55-3180
※冬期間(11月中旬〜翌年4月下旬)は閉館

     

 
 ●聞き耳袋● 〜雪水通すと丈夫になる〜

 雪の上さ出来上がった蓑ひろげて、その上サ雪載せておく。雪水通すと編んだもんにゆるみが出来て弾力が生まれる。軽くなるし、丈夫になんだぞ。
(飯塚綱雄さん・三島町)