第20号 2003年 秋



表紙の言葉

刈り上げ餅

不作の年の米は、ことさらに尊い。刈り上げの喜びの餅は、まず神棚に捧げられる。感謝と祈りは人々に同じ姿勢を作らせてきた。供物を捧げ、頭を垂れる。各地域でそれぞれに設けられる刈り上げ祭りには、必ず真っ白くて丸い餅が捧げられる。

恵みへの感謝
  奥会津つれづれ  

 秋は実りの季節だ。それはデパートの地下でも感じるけれど、自然が近くにあればあるほど、日常の生活の中でより強く感じることができる。
 たとえば、一年かけて育ててきたお米はもちろん、自然が思うままに実らせている「栗」や「くるみ」のような、つかみようのない自然の力で育てられた”実り”はやがて、手で触れ、目で感じ、舌で味わうことのできる多種多様なものを、私たちに与えてくれるものだ。それがこの季節だろう。
 ごく最近、この仕事を始めてから知り合った方がなくなった。夏には川を下って、自然と遊ぶラフティングでも一緒に過ごすことができた私は、彼に出会えて本当によかったと思っている。半年という時の流れの中で、自然の真っ只中で遊んだり、奥会津の様々な土地に目を向けることで、自分なりに自然や文化についても意識するようになれたのだと思う。
  地元に戻ってきてから、今も変わらず思うことは、自分の時間と奥会津に流れる時間、二つの時間の中で、流れる季節を感じてみようということ。
  そして、こんなに遠くからだけれど、別の流れの中で生き続けている彼についても、ゆっくり考える時間を、秋は与えてくれている。

(治)


■開館時間/10:00〜16:00 ■入館料/大人300円・小中生200円
■休館日/毎月曜日・冬期間は閉館

南会津郡只見町大字只見字町下2590番地 
0241-83-1733 Fax0241-83-1734

昔から川の恩恵を受けながら暮らしてきた奥会津の町と村。
川の営みと人々の暮らしが、模型やマルチメディアを通して実感できる。
2階のギャラリースペースでは、各種企画展が催され、地元の方々の発表の場ともなっている。

 
 

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 奥会津9町村の四季折々の姿をパネルで紹介。各町村の案内パンフも用意されている。

 

 

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 只見川源流の自然の姿を、水や樹木や魚で再現している。初夏の一日の変化を、音や光で体験できる。また、マルチメディア「只見の生きものたち」では、只見の動植物や昆虫の生態を調べることができる。

 

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 かつて只見川で盛んに行われた「鉄砲流し」や「サナガシ」という木材運搬の技法、堰普請やマスの捕獲方法などが模型で紹介されている。

   
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 只見川の四季の移り変わりを映像で紹介するビデオルーム。
 
 

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2階の一角はギャラリースペースとして、各種展示が催されていて、町民の発表の場ともなっている。

 

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 電源開発による暮らしの変遷が、写真と映像で紹介。ダムに沈んだ集落のかつての姿も見ることができる。

 
 

手づくり体験教室は、子供たちの楽しい学びの場。
おもちゃなどを作りながら只見川に触れることができる。

奥会津の歳時記3 虫供養

 

 鉦(かね)の音が、なだらかな坂道をゆっくりと登ってくる。坂の両側の家々からは、鉦を合図に三々五々村人が集まり、やがて列を成して一本の桜の木の下へとやってくる。手にした花、線香、供物が捧げられ、敬虔(けいけん)な祈りのあとには供物が御護符として配られる。知らず知らず殺した虫たちの霊を慰める美しい行事は、早戸地区の方々によって連綿と引き継がれてきた。今夏、彫刻家と村人が合同で作った供養等が完成した。虫たちの霊は、更なる安住の地を得たようだ。

写真:三島町早戸 平成13年11月10日


奥会津の観光スポット
SPOT1 SLが走ります!(JR只見線)
SPOT2 そば祭りリレー


SL蒸気機関車が旧型客車3両を引いて走ります。
懐かしい汽笛と白煙に会うために、今年も鉄道ファンがやってきます。

運行日
   10月11日(土)〜13日(祝)
   10月18日(土)〜19日(日)

★運行区間はJR会津若松駅からJR只見駅
  (1日1往復)

★全席指定(大人1,620円)

 

各町村それぞれが、極めつけの趣向を凝らした新そばを愛でる宴。
新そばの香りと味に彩を添えます。
奥会津散策秋の醍醐味。

奥会津の郷土料理

●秋野菜の煮物
  何と言っても、旬の大きな里芋の存在感に圧倒される。
  里芋は、秋野菜の王者の貫禄がある。夏に収穫するじゃがいもと共に、越冬して食卓を豊かに支えてくれる頼もしい存在。
  昆布とちくわの旨味を吸い込んだ野菜たちは、それぞれに深い味わいを奏でている。
  新鮮な秋採れ野菜の醍醐味は、やはり煮物。体も心も温まる。

■作り方■

  里芋は茹でこぼしてぬめりを取り、大根・いんげんも茹でこぼしておく。結び昆布・かつおの出汁に、いんげん以外の材料を入れて醤油・みりんを加えて味をふくませ、最後にいんげんを加える。


●キクラゲのくるみ和え
 こげ茶色のきくらげにからまるふんわりとした白い色。本来はくるみだけであえるのだが、金山町料理名人のひとり中丸さんのアイディアで豆腐も混ぜてある。昔は山から取っていたきくらげのコリッという食感、くるみのほんのり甘い味、豆腐のほんわかした味。素材そのものの味が、それぞれを邪魔せずに優しく絡まり合っている。

■作り方■
  乾燥きくらげを水で戻して一口大の大きさに揃え、擂ったくるみに塩、砂糖で味付けして和えるだけ。豆腐を擂り入れるとb、味も触感もまろやかになる。甘さの加減が決め手。

 

博物館・美術館

やないづ町立斎藤清美術館(柳津町)

 平成7年に文化功労者に顕彰された版画家・斎藤清画伯(1907〜1997)の作品を展示している美術館。斎藤清画伯の版画世界が広がる只見川の河畔に建つ。海外での高い評価が日本の現代版画の地位を高める原動力になったとも言われている。斎藤清画伯の晩年は、会津の風景の中での創作が中心となった。


・・・企画展開催中・・・

館収蔵作品800点記念「斎藤清 秋模様」

★ 12月14日(日)まで
■休館日/毎月曜日(月曜が祝祭日の場合はその翌日)
■観覧料/一般500円、高・大生300円、小・中生200円(
団体割引有り)

俳句大会

8月30日(土)・31日(日)の両日、檜枝岐村の東雲館を会場に、第8回歳時記の郷奥会津全国俳句大会が開かれました。表彰式に続いて選者の先生方の俳句談義を傾聴したあと、鎮守神社舞殿に移動。三番叟の舞で舞台を清めての藤の和大神楽を鑑賞しました。檜枝岐歌舞伎の一端に触れた郷土芸能に参加者から感動の声が寄せられています。

デジカメ教室

 9月13日(土)・14日(日)、昆虫写真家の海野和夫先生を迎えて小中学生を中心としたデジカメ撮影教室が開かれました。ひとり一台づつ貸し出されたカメラを手に、レンズを通して見る新たな世界に心躍らせた2日間。奥会津は360度素材の宝庫です。